監督のつぶやき?ぼやき!
第277話/ 2017.10.16

 まず、最初に書きます。前にも書きましたが、私はチーム名に“さん”を付けるのは国語としておかしいと思うので、“さん”付けはしません。他意はありません。

 10月14日(土)15日(日)文部科学大臣杯広島県決勝大会がありました。私の予想通り府中オーシャンズが優勝しましたが、力の差があり過ぎてあまり面白くない大会になりました。府中オーシャンズ以外のチームは、この冬そうとう練習しなければ追い付くことは出来ないでしょう。段原クラブも私の予想通り1回戦で敗れました。指にかかった時はよいボールを投げる程度の1年生ピッチャーを2年生の他の選手が助けるどころか足を引っ張れば、勝てるわけはありません。1死3塁、1死2,3塁という大きなチャンスに旧チームからほぼ1年間試合を経験した選手が自分勝手なバッティングをして得点できない。打たれたヒットは1本、打ったヒットは5本、言ってみれば段原クラブらしい負け方です。練習は自分のため、試合はチームのため、中心選手が何を考えて試合をするかがチームの勝敗に大きく影響します。この勝敗によって子ども達の中でひとりでも何か気が付いて練習が変われば、意味のある負けになります。

 土曜日の1試合目、『広島スターズ』対『十日市野球クラブ』を観ました。全く何の緊張感もプレッシャーもなく伸び伸びプレーしている十日市野球クラブに対し、チームの歴史や責任を背負ってプレーしているように見える広島スターズの子ども達。これは仕方ないことなのかもしれませんが、毎年勝ち続けなければならないプレッシャー、勝って当たり前と思われる責任、並大抵のことではありません。広島スターズの子ども達は、他のチームの子ども達より大きく重い荷物を背負って野球をしています。勝ち続けなければならない野球をしたことのある私には良く分かります。持っている力に大差はありませんが、流れで大きな点差になってしまいました。しかし、来春にはそのプレッシャーをはね返せる力を付けて、大きくなってくると思います。段原クラブも、ピッチャーの荷物を代わりに背負える選手が出てきて欲しいと思います。

 あるチームのホームページの書き込みに、私の批判が載っていたそうです。日本は言論と表現の自由が保障されている国なので、それほど驚くことではありません。私は読売ジャイアンツの時代に、“強いものには敵が多いものである”と教育されています。批判される対象になったということは、そのチームの関係者にとって邪魔というか、うっとうしい存在のチーム、監督になってきたということだと捉えました。嬉しいことです。ただ内容は的外れですが、その書き込みは1週間程度でそのチームには相応しくないということで、ホームページから削除されました。さすがに長く広島のトップに立っているチームだと改めて思いました。

 私は、何度もここで、「ベンチで何もしないで座っているだけで広島県NO.1に慣れるチームを作りたい。」と夢を語っています。50年野球をやってきた私は、それが限りなく不可能な夢だと分かっています。しかし、それに近づくためにまずサインを無くしました。出来るだけ子ども達自身で考えて欲しい。考えて結論が出なければ、聞きに来る。明らかな間違いはその前に指摘し、野球のセオリーをまず覚えてもらう。そして、クラブチームのやるべきことは「レギュラーだけではなく、選手全員の個の能力を高め、その能力をここ一番で発揮できる精神力を身に付け、高校野球に送り出す。」ここにあると思っています。そのため勝つための作戦はあまり意味がないと思っています。しかし、送りバントは出来なければいけません。なぜなら高校野球で必要だからです。サインは無くても、自分の意志でチームのためにバント出来る選手になって欲しいと思っています。

 監督になった当初、たくさんサインを出していました。なぜか?自分のプライドのために勝ちたかったからです。自分のためだけに。サインを出さなくなったのは、Jリーグの関係者との話しが始まりです。その人に言われました。「野球選手は監督の操り人形ですよね。」一流選手はそんなことはないし、本当に強いチームの選手は自分で考えて野球をしていますが、外から見ると、特に少年野球はこう見えています。次にヤクルトスワローズ、阪神タイガースなどのチームの監督をされた野村克也さんからは「1年間で監督の采配で勝てるのは5試合程度、いらんことをして10試合以上負ける。やるぞ、やるぞで何もしないのが一番良い。」という話しを聞きました。最後に息子が広島に帰りチームを手伝ってくれるようになった時に、「3塁ランナーをエンドランで返しても子ども達の自信にならないから打たせた方が良い。」と言われ、何もしなくても終わったら勝っているという夢を追ってみようと思いました。

 ではなぜリーグ決勝大会の決勝『広島スターズ』戦でエンドランをしたのか。一度も練習したことがないのに。

 今年の3年生は7人、ひとりも辞めていません。例年と比較して能力はありませんから、新チームになってから苦しみ続けてきました。それでも諦めず、努力し続けている。そんな3年生が私は大好きでした。特にエースは、本当によく練習し、チームを全日本少年軟式野球大会県大会に導いてくれました。そのエースが夏から調子が上がらず、3年生最後の試合、マウンドでもがき、苦しんでいました。私だけでなく、チームの子ども達全員がエースを助けたい、少しでも楽にしてやりたい、その気持ちがベンチに溢れていました。あの場面のエンドランはベンチの選手全員の気持ちでやったエンドランです。私はサインを出していません。アイコンタクト、それだけです。一度も練習しなくても選手が必要な作戦だと理解してやれば出来るものです。バントも盗塁も自らやろうとすれば成功率は上がります。試合に負けましたが、私は段原クラブの野球を今年の3年生も立派にやり遂げてくれたことに大満足しました。

 野球に正解などありません。数学ではないので答えはひとつではありません。これからも、どんな意見、批判を浴びようとも、私はコーチ達と一緒に、子ども達が高校で野球をするために良いと信じたことをやり続けたいと思っています。そのモチベーションの良い薬が、『広島スターズ』と『府中オーシャンズ』です。強くい続けて、段原クラブをはね返して欲しいと思っています。


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